2022.6.12
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〜価値ある学びを共創する〜

#SCHシンポジウム西日本#事業紹介#大崎上島#教育#離島#高校#高校教育

まなびのみなとのメンバーになり2年が経つ。事業の担当しているメンバーがどんな想いをもっているのかインタビューし、記事にしていくまなびのみなと事業紹介。今回は、SCHシンポジウム西日本の紹介をする。

〜はじめに〜

SCHという言葉は、あまり慣れないかもしれない。実は、スーパーコミュニティハイスクールの略だ。そもそもの始まりは、山形県の東北芸術工科大学にある。地域と高校の協働を進めたいという思いから、このSCHの取り組みが立ち上がった。

〜SCH西日本の立ち上げ〜

2018年2月、東北芸術工科大学でSCHネットワークシンポジウムが開催された。全国から地域×高校に興味関心がある人が集まる場だ。大崎海星高校からは、教員・コーディネーター・生徒合わせて10人が参加した。2日間を通したプログラムの最後に行われるアクションプラン発表。当時高校1年生で参加した細川真住(現まなびのみなと学生メンバー)は、「大崎上島でSCHシンポジウムを開催します!」と宣言した。そして、SCH西日本が動き出した。

2018年に第1回を開催。県内外から40名が集まった。プログラムは、大正大学の浦崎太郎氏の基調講演に始まり、岐阜県立吉城高校、岡山県立和気閑谷高校、島根県立津和野高校、大分県立安心院高校、認定NPO法人カタリバの方々の事例発表へと続く。参加者はゲストと共に、議論を深め、探究・地域協働へのノウハウを皆で深めあった。

高校生の事例発表

〜さらに知見が深まった第2回開催〜

2019年には、第2回を開催。浦崎先生の基調講演に始まり、分科会では、高校魅力化発祥の地である島根県立隠岐島前高校、地域でのマイプロを生徒が日常化して行っている宮崎県立飯野高校、総合の研究を進めてきた広島県立御調高校、コンソーシアムづくりに取り組む株式会社edo・認定NPO法人カタリバの方々をゲストにお招きした。また、東北芸術工科大学のコミュニティデザイン学科の岡崎エミ氏と学生の皆さんと共に、全員が関心の高いテーマを議論できるディスカッションプログラムを行った。第1回から発展し、70名余りが参加した。

分科会セッションでの白熱した対話

第2回参加者集合写真

〜コロナ禍に直面・オンライン開催へ〜

2020年は、コロナ禍に直面した。しかし、そんな状況だからこそ、対話する学びの場が必要だと、オンライン開催した。オンラインを活かし、複数回に分けて、プログラムを実施した。

【 vol.1 】は、大正大学 地域創生学部社会共生学部 教授 浦崎太郎 氏のご講演。【 vol.2 】には、五ヶ瀬中等教育学校 教諭 上水陽一 氏、有志生徒のプロジェクト発表。【 Vol.3(メイン) 】には、長野県教育委員会の内堀繁利さんや、桜美林大学の今村亮さん、一般社団法人神山つなぐ公社の森山円香さん、一般社団法人まるオフィスの加藤拓馬さんらがゲスト登壇してくださった。

参加者からは、

・「4 回にわたってのオンライン SCH。毎週がとても楽しみでした。」

・「講演などが分散されてあったのは、復習したりもできましたし、良かったです。もっと地域に出ていくことを企てねばと感じました。」

・「地域と学校の連携は、間違いなく地域を変え、学校を変える」

・「生徒を参加させて本当に良かったです。」

といった声があがった。オンラインであっても、参加者同士が、先進的なゲストとともに学び合う場を作ることができた。延べ 93 名の方々が参加された。

アクションプランと集合写真

〜2021年もオンラインで開催へ〜

翌2021年も、新型コロナウイルスの影響は収まらず、オンライン開催となった。プログラムは、2020年を土台にした連続講座形式である。計4回のプログラムを行なった。その中に新たに取り入れたのが、「魅力化卒業生トークセッション」で、高校魅力化高を卒業した生徒から学ぼうという企画である。4名の卒業生から話を聞き、高校魅力化高で何を学んだのかを直接聞く機会となった。

メインのプログラムにおいては、一般財団法人地域・魅力化プラットフォームの岩本悠さんのご講演を頂いた。分科会では、4つのテーマに分かれて、話題提供+ディスカッションを行った。

参加者の声を共有する。

・高校での生徒の成長に目が向きがちですが、持続的なものにするには、やはり卒業後のつながりづくりが大切だなと。そして、その真ん中にあるのは、地域なんだなと。それであれば、地域畑の私にも何かできることはあるかもしれないと、そう思いました。

・コンソーシアムとコミュスクの位置付けの違いを自分の中で整理していけたのが一番の収穫でした。地域の活動に関わって行ってもらうことは大事なことだし、それが高校生の成長につながるものにならないと持続可能なものにならないと思った。

・やっぱり「人」と「人」のつながりが大事!そして、一緒に頑張っている仲間が全国にいるんだということがかなり心強い!

・来年度から高校のコーディネーターになるので、教育業界を引っ張っている方々の視座や進めていることを知れてためになりました

ある参加者が、「SCH は、F1のピットだ」と表現してくれた。「ひたすら走り回ってここに来て、情報を得たり、仲間と話してガソリンを注入したり、相談したり出来る場所だ」と。

このように、東北から始まったSCH の取り組みが、西日本でも4年にわたって展開してきた。その火をこれからも灯していく。

オンラインでの集合写真

〜運営担当者インタビュー〜

全体のプログラムを組んでいる実行委員の笠井礼志さんは、「最初はよくわからないまま手伝い始めました。」と笑いながら話す。「毎年、高校生と実践者の皆さんの対話からパワーをもらえて、エネルギーをもらっています。」

高校1年生の時に「大崎上島でSCHシンポジウム西日本をします」と宣言した細川真住さんは、現在、青山学院大学3年生。大崎上島を離れてからもオンラインで運営に携わっている。

「高校生の時は、周囲の大人が結局進めてくれて、いいところだけやらせてもらった感じがしていたけど、大学生になってからはちゃんと運営や内容に関われるようになった。参加してくれる人が楽しかったって気持ちになったり、価値ある学びが提供できたりしたら嬉しい。」

今年の秋に第5回SCHシンポジウム西日本の開催に向け動き出す。

「第5回はオンラインか対面かはわからないけど、自分も楽しみながら、参加する方々の力になれる場にしたい。そして、少しでも地域や教育に興味があったら、気負わずに参加してほしい」

〜おわりに〜

私も高校時代に東北芸術工科大学で開催されたSCHシンポジウムに参加した。SCH西日本には、高校生の時から、大学に入学した今も関わっている。高校と地域の関わりが今も続いていることや、そこでの出会いが今も続いていることを嬉しく思うと同時に、これからの新しいアクションへワクワクしている。

【ライター紹介】

梶村莉子。広島県大崎上島出身。地元、大崎海星高校に進学し全ての地域活動に参加。みりょくゆうびん局立ち上げメンバー。2019年3月卒業。東北芸術工科大学デザイン工学部コミュニティデザイン学科在学中。

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