2022.8.23
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〜島の子どもたちがこれからの社会をよりよく生きられるように〜

#ICT教育#事業紹介#地域おこし協力隊#大崎上島#子ども教育#教育#教育情報化コーディネーター#離島

まなびのみなとのメンバーになり2年が過ぎた。事業の担当しているメンバーがどんな想いをもっているのかインタビューし、記事にしていくまなびのみなと事業紹介。今回は、教育情報化コーディネーターを担当する平岡幸人さんに取材を行った。

平岡さんは東京でシステムエンジニアとして働いていた。その時に、これからの未来はAIやロボットは命令されたことをとても上手にする。誰かから言われたことをするのはAIやロボットにもできるため、言われたことだけをする人はこれからの社会では必要とされなくなってしまうのではないか、ということを問題意識として感じた。

「自分が受けていた教育は、言われたことを覚えて覚えたことをテストで答える教育だった。これからの社会に対応するために、教育がどう変わっているのか知りたかった。」と話す。

瀬戸内に住んでみたいと思っていたこともあり、仕事を探すと大崎上島町の地域おこし協力隊で大崎海星高校の公営塾スタッフの募集があり、働くことになった。

地域おこし協力隊の任期が満了となる3年目に、国の「GIGAスクール構想」もあり、大崎上島町の教育委員会がICT教育の支援ができる人材を探していた。

GIGAスクール構想は、一人一台タブレットPCを小中学生に配り、他の国と比べて遅れているICTを活用した教育を推進するための国の政策である。、

コロナ禍の一斉休校への対応もあり急に決まったため、どの自治体も準備ができないまま導入が始まった。

「2020年春の初めての一斉休校の際、自分は公営塾でオンライン授業をしていた。今では当たり前になったオンライン授業だが、当時はあまりやっているところがなくNHKにも取り上げてもらったこともあり、大崎上島町内にもICTを使った教育に取り組んでいる人がいると知ってもらうことができた。」

教育情報化コーディネーターとして働いている今、感じている課題は先生たちがパソコンの使い方やプログラミングを学ぶための「時間が足りないこと」だ。「学校の先生は忙しい。」話では聞いてはいたが、現場に入って実感した。

研修をしたくてもそのための時間もなかなか取れないが、先生ごとに個別研修やグループ研修をできることを伝えたり、ICTを活用した授業事例を単元ごとにまとめて情報提供したりしていると話す。

個別に先生から聞かれた時に答えられるように日頃から情報収集を積み重ねている。それに加え、校務効率化の支援も授業準備時間を創出するために大事だと思い取り組んでいる。

現在は、大崎上島町内の小中学校計4校に週1回ずつ訪問して、ICTに関する授業支援や機器操作支援など、先生方からの要望に応じて対応している。研修をやってほしいと言われたら各校に合わせた研修を企画したり、授業で使うアプリを生徒に教えることもある。

教育委員会とも週一回程度の頻度で情報共有をしていて、大崎上島町として教育の情報化をどう進めるかを一緒に考えている。2021年度は教育情報化推進計画の策定を支援し、2022年度は教育情報セキュリティポリシーの策定を支援する。

「島の子ども達がこれからの社会をよりよく生きられるように」

これが教育情報化コーディネーターである平岡さんの目的だという。

3年間地域おこし協力隊をし、教育情報化コーディネーターを丸1年して、大崎上島の暮らしも5年目となる。島の子どもへの愛着があるから自分のできる範囲で島の子どもがこれからの社会でよりよく生きるために情報教育は必要な部分だとは思っているから進めていきたい。

これからやるべきこととして、全ての先生と子ども達がパソコンを使いこなしいくために、どんなステップを踏んでいく必要があるかを考えている。「教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、例えば会議資料をパソコンで見れるようにするなどといった、「データの情報化」がまずは前提となる。その後で、例えば出欠連絡をアプリで行うといった「プロセスの情報化」がある。その後で、教育自体を再定義するような教育のDXが訪れる。それがどんな教育になるのか、教育情報化コーディネーターとして支援しながら自分も一緒に模索していきたい。」

今までパソコンがなかったら全くできなかったことで、教育活動自体が変わっている。最終的なゴールにたどり着くために段階を踏んで行きたい。

〜8月31日追記〜
平岡さんが2021年に支援していた広島県立大崎海星高校が「学校情報化優良校」に認定されました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
https://manabinominato.or.jp/jouhoukaninteinews/

〜終わりに〜

大学生活に慣れ始めようとしていた2年生になった時にオンライン授業になったが、通常予定より前期開始が2ヶ月遅れた。3月に休校となった時に次の日にはオンライン授業ができたというスピード感が改めてすごいと思った。今では当たり前になったが1年間慣れないままオンラインだったことを思い出す。これからどうAIが進化し、小中学生の学習と大崎上島の未来がどのように変化していくのか楽しみである。

【ライター紹介】

梶村莉子。広島県大崎上島出身。地元、大崎海星高校に進学し全ての地域活動に参加。みりょくゆうびん局立ち上げメンバー。2019年3月卒業。東北芸術工科大学デザイン工学部コミュニティデザイン学科在学中。

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