日本の公民館の偉大さを再認識しつつ、その新しい未来も考える著書「公民館のしあさって」。
編著者の西山佳孝さんをお招きし、広島大学のMIRAI CREA(ミライクリエ)でトークイベントを実施しました。
公民館のしあさってプロジェクト
http://kominkan.world
「広島で子どもも大人もごちゃまぜの居場所をつくる?」
多世代が集い、誰もが「ここは自分の居場所」と思える場所。
そんなごちゃまぜの居場所は、つくろうと思ってつくれるのだろうか?
つくれるとしたらどうやって?
そのヒントを公民館に求めて、さまざまな問いが飛び交う時間となりました。
大学生から社会人まで、居場所づくりを実践されている方からこれから始めようと計画されている方まで、様々な地域の方々にご参加頂きました。
一般社団法人まなびのみなとからは、
大崎上島で旧商店を活用したコミュニティスペース海辺の家を運営する円光が事例発表ゲストとして登壇。
同じく大崎上島で子どもと大人の居場所ミカタカフェを運営している勝瀬が、モデレーターとして会の進行を務めました。
”遠い未来への期待に依存せず、忙しい毎日をこなすだけでもない。
公民館の「しあさって」には、そんな理想と現実の間の往来があるように思います。”
(著書「公民館のしあさって」より)
明日でもなく、1年後でもない。「しあさって」というちょっと先の未来を考えながら現実を変えていく。
そんな「しあさって」のコンセプトに共感し、
申し合わせたわけでもなく同じ日から「公民館のしあさって」を読み進めていた円光と勝瀬。
公民館のしあさってプロジェクトメンバーとして全国キャラバンを実施している西山さんに、
”広島開催”をお願いしたことが今回のイベント開催のきっかけでした。
西山さんからは、公民館の歴史やルーツに始まり、公民館が基礎付けられている法律やその実態まで、幅広く話題提供を頂きました。
そもそも公民館ってなに?
地域に居場所ってある?
多世代がともにいることができる場所って?
やっぱりただ与えられるよりも自分でやった方が楽しいですよね?
だいたい、学びって学校だけでするものでもないですよね?
え、公民館は本来、地域のイノベーションセンターだったの?
え、全国にコンビニくらい公民館ってたくさんあるのですか?
著書「公民館のしあさって」の序章・”はじめに”で書かれた上記のような疑問・発見を、
端的に、そしてダイナミックにお話いただきました。
『アツマル。ツナガル。ウマレル。』
子どもも大人も”無目的で集まれる”場所をつくろうと、広島県内各地で奮闘している人たちがいます。
今回その代表として事例発表いただいたのは、
尾道市浦崎町で空き家を再生し、「こどもたちと多世代の居場所」を開設・運営されているUMEプロジェクト代表・髙橋真理子さん。
そして、大崎下島・久比で、あるものからはじまる場「あいだす」を開設・運営されている一般社団法人まめなのプランナー兼フォトグラファー・福崎陸央さん。
お二人のお話に共通していたのは、
「自分たちの手で作った場所だけが、その人たちにとっての居場所になる」ということ。
その場所で何を生み出したいのか。
その場所で誰がどうなっている”しあさって”を描いているのか。
時間をかけて、じっくりと考え、そしてみんなで一緒に手を動かすこと。
そのプロセスこそが、ごちゃまぜに人を巻き込み、ごちゃまぜの場所を生み出すのではないでしょうか。
始めようと思えば、建物がなくても、お金がなくても始められる。
そんなメッセージに会場中がはっとさせられました。
”居場所づくり”という言葉がよくよく使われます。
何気なく使ってしまうその言葉ですが、誰かが誰かのために”つくってあげる”ことはできないのかもしれません。つくってあげようと踏ん張ると、壊れてしまうものなのかもしれません。
don’t be Customer.
エジプトにあるター公民館の入口に貼られている言葉なのだそう。
Be co-CREATOR.
私たちの居場所にはこんな言葉が必要なのでしょう。
・・・・
お集まり頂いた皆さん、ありがとうございました。
広島が居場所だらけになりますように。
居場所同士で、また新たなつながりが生まれますように。
それぞれの場所でまた始めていきましょう。
ちょっとだけ先の未来を見据えながら。
それでは、また”しあさって”。