「興味散漫でもいい。その中で、何かを掴みたい」
マイプロ事業で1年間インターンをした、大崎海星高校の卒業生(2025年3月卒業)であり、現在は國學院大学に所属する赤坂佐和子さんにインタビューしました。
高校時代から地域と関わり続け、卒業後もインターンとして大崎上島に関わってきた彼女。
その中で感じた葛藤や変化、そしてこれからについて話を聞きました。
高校時代の自分を一言で表すと
「興味散漫」
いい意味で甘やかしてもらうこともありながら、ひとつに集中するというより、いろんなことに挑戦していた高校時代。
「何が大事なのかわからなかったし、それは今も変わっていない」と話します。
“興味散漫”な自分とこれから
「今の興味散漫は、正直ネガティブです」
いろんなことに手を出している状態から、何かに特化した自分になりたい。
でもまだ、それは見つかっていない。
「だから今は、何かを掴めたらいいなと思って、興味散漫を続けています」
迷いながらも止まらない、その姿勢が今の自分をつくっています。
大崎上島へのイメージ
高校3年間を通して感じたのは、「居心地の良さ」。
1年生の頃は、「何かしないといけない」「自分のハッシュタグを持たないといけない」と焦りもあった。
でも3年生になる頃には、少しずつ力が抜けていきました。
「のんびり安心できる場所になっていました」
高校を卒業して感じたこと
「まだ、いたかったです」
卒業した今でも実感がない。
それほど濃い時間を過ごしてきた場所でした。
大学に入って変わったこと
大学で大きく変わったのは、“受け身ではいられない環境”。
「高校は受け身でもいられたけど、大学はほっとかれる。自分で外に出ないと何も起きない」
正直、「大学はつまらない」と感じたこともあったと言います。
それは、大崎上島で得てきた経験が大きかったから。
「島からもらえるものが多すぎて、物足りなく感じた」
だからこそ、自分で動くようになりました。
他団体でのインターンや、「まなびのみなと」での活動など、行動範囲を広げる日々。
“自分で面白くする”という意識は、大学に入ってから生まれた変化でした。
インターンへのきっかけ
もともと、「卒業してからも大崎上島に関わりたい」という思いがありました。
高校在学中にミカタカフェでアルバイトをしていたこともあり、卒業前、「ミカタカフェが東京に出店するかもしれない」という話を聞き、関わりたいとアピール。
その後、マイプロ事業に大学生が関わるタイミングで声がかかります。
「どこか接点を持っていたかった」
高校3年間取り組んできたマイプロジェクトへの感謝も、大きな理由でした。
「自分は育ててもらった側。何もできていないけど、今度は提供する側になりたかった」
見えてきた“働く”というリアル
高校生の頃に見えていたのは、“かっこいい理想の働き方”。
しかし、実際に関わる中で見えたのは、その裏側でした。
「メンバーが5人ずついるんじゃないかと思うくらいの仕事量」
イベント運営やお金の話、日々のやり取り。
これまで見えていなかった現実を知る中で、気づいたことがあります。
「この働き方で生活していくのは、ほんの一握りなんだとわかりました」
理想と現実、その両方に触れた経験でした。
高校生に伝えたいこと
もし今、自分が高校生だった頃に声をかけるなら——
「肯定しながら、一緒に面白がってほしい」
自分自身、周りの大人に肯定されてきたことで、安心して挑戦することができました。
「面白そうじゃん」という一言が、行動の火種になったといいます。
一方で、こんな本音も。
「厳しいことを言ってくれる人もいてほしかった」
褒め合いだけでなく、刺激し合える関係。
他校の高校生との関わりの中で、打ちのめされるような経験もあったらよかったと振り返ります。
マイプロを通して起きた変化
苦手意識のあった「場づくり」。
しかし、実際に関わる中で見えてきた自分なりの形がありました。
「ふわっと一緒に時間を共有できる場ならつくれるかもしれない」
やらざるを得ない状況の中で、自分にできることに気づいた経験。
それは、ファシリテーションを考えるきっかけにもなりました。
関わる中での葛藤
「最後まで、何を求められているのか考える日々が続いた」
大学生としての関わり方に悩み、手応えを感じられないまま終わる感覚もありました。
「結局、何もできていない気がする」
それでもこの経験は、無意識のうちに自信につながっていたといいます。
島とのこれからの関係
今の大崎上島は、「帰る場所」ではなく「訪れる場所」。
「『ただいま』『おかえり』とは言えるけど、ずっといる場所では無くなってしまった」
島での時間は、「濃くて長い夢を見ていたような感覚」。
物理的に離れたことで、距離の取り方も変わりました。
「関わりたいけど、依存はしたくない」
これからは、島だけでなく他の地域にも足を運び、さまざまな経験をしていきたい。
そのうえで、また島に戻ってきたときに、面白がれる関係でいたいと話します。
それでも関わり続ける理由
「面白い場所だから」
島に来るたびに、遊び心を思い出す。
誰と話していても、「この人の生き方面白いな」と感じる。
「日常にない面白さがあるから来ています」
会いたい人がいる、それも大きな理由の一つです。
最後に
「距離が離れて、少し寂しいくらいがちょうどいい」
そう話す姿からは、地域との関係性が“終わり”ではなく、“変化”していることが伝わってきました。
高校時代に過ごした大崎上島での時間は、
「濃くて長い夢を見ていたような感覚」。
その場所から一度離れ、今は外の世界に目を向けながら、自分なりの距離感で関わり続けています。
興味散漫であることに悩みながらも、立ち止まらずに動き続ける姿。
その過程そのものが、すでに一つの答えなのかもしれません。
地域に育てられ、そして少しずつ離れながらもつながり続ける。
そんな関係性のあり方を、赤坂さんの言葉が教えてくれました。



